とうとう沢組合が動き出した・・・。私はテンカラ、tu-changはルアーで、狙うは源流のアマゴだ。仕事が終わった金曜日の夜、「待ってました!」と千頭ダムへ向かった。
吊り橋の下の河原でタープを張った。やはり沢屋はタープなのだ。しかし、4月の上旬の山の中はまだ寒い。それでも、少しの睡眠は取れた。4時に起き、おかずパンを食べ出発した。つり橋を渡ってトラバースの道を進むのだが、この道、正月にトシゾーさんと鎌崩を訪れた際に通ったばかりだった。ヘッドライトで歩くが、踏み跡をすぐに見失い、仕方がないので急斜面を尾根まで詰めることにした。暗いと、道を見つけることはかなり難しいだろう。そして、しばらくはガレが続き、勾配もきついので危険な道である。起きたときに食べたおかずパンの消化がうまくいっていないのか?睡眠不足での急登のせいか?おかずパンを数回戻しそうになりながら、
山の神の祠に尾根からたどり着いた。3ヶ月前に来たばかりだが、なつかしく思えた。鎌崩越えの緊張は忘れられない。ここから、登山道は尾根を少し登り、右にトラバースする。
正月に訪れた前回は登山道を行かなかったので、初めての道だ。しばらくはしっかりとしているし、地図にも破線が続いているので安心していたのだが・・・、道の崩壊はかなりひどく、所々にあるトラロープや鉄線はあまりあてにできない状態だった。落ちたらさようなら、という箇所が数回、繰り返された。「ここは沢組合用の道だ・・・」スパイク付きの足袋を履いたtu-changがつぶやいた。
歩き始めて約3時間、沢に降り、ウェーダーを着て、やっと釣りを開始した。tu-changがルアーでさっそく釣り上げた。普通のサイズなのでリリースした。もったいないと思ったが、大事なことだ。竿の振り方や、魚のいるポイント、川の流れ、魚の習性を教わりながら、遡っていった。そして、やっと私にも強い当たりが・・・!いい型のアマゴでとてもきれいな魚だった。自分で作った毛ばりで初めて釣れたのだが、どう釣ったかはあまり覚えていない。
ルアーをあらゆるところに飛ばすtu-changは、アマゴを4匹釣った。技術、知識ともかなりすごい。
今年も沢に戻ってきたな。
毛鉤を何回もからませ、結びなおす時間が多く遅れてしまい、急いで追いつくと、滝が現れた。大きな倒木にtu-changが座って待っていた。滝の右側の壁にホールドがあり、竿を持ってもらい登った。
水温が低く、結局1匹しか釣れなかったが、厳しくも印象深い冒険記となった。
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