コンヤ沢 (安倍奥) 沢登り 1

La gorge ラ ゴルジュ喉という意味のフランス語だが、沢用語では「切り立った岩壁にはさまれた峡谷」という地形を表す。そして、地元の安倍奥にはゴルジュ帯が続く沢「コンヤ沢」がある。梅ヶ島、1/25000の地図を見れば、その沢が岩壁にはさまれたゴルジュ帯だと一目瞭然であった。冒険のにおいがするコンヤ沢に行きたいと、toshizoさんに提案していたのだが、ついにその願いがかなった。2009年8月30日、パーティーはtoshizoさん、tunocci、私のビクビクボーイズ。toshizoさんの情報によると、日帰りでギリギリ可能とのことだった。次の日は仕事なのでビバークはできず、必ず下山が条件となった。
再び、ただならぬ雰囲気をした暗い入り口に来てしまった。ホーキ沢のときもこの漆黒の入り口に震え上がった。コンヤ沢では、何が私たちを待ち構えているのか?闇の中へと踏み込んでいった。
まず、カエル君が私たちを迎えてくれた。無口で、静かにじっとしていた。
ホーキ沢へ行くF1を右に見ながら通り過ぎ、そのままコンヤ沢を進むとゴルジュ帯はすぐに始まった。ここ数日雨が降っていなかったので、水量は多くはないだろうが、それでも深い淵がいくつも現れた。
ゴルジュ内は陽があまり差し込まないので薄暗かった。岩は黒々として、苔は深緑色をしていた。
ゴルジュの中では光と影が際立つ。途中、陽の差し込むところで休憩をとった。
冷夏のせいか、水の中に長く入ると寒く感じた。しかし、狭いゴルジュでは水の中を移動しなければならない。
右壁にかなり高い滝が見ながら、左に曲がると登攀できない大きな滝が現れた。巻こうにも岩壁にはさまれ、来た道を戻らなければならなかった。
なんとか登れそうな急でガレた斜面を登り、トラバースして一回目の懸垂下降をした。トラバース中、tunocciの様子がどうも変だった。いつもの安定した力強さがなく、精神的に負けてしまいそうであった。こんな状態のtunnociを見ることは初めてだったので心配になった。
両側の切れ落ちた尾根から2回目の懸垂下降をして沢に戻った。沢に下りたときはホっとした。高巻きはいつも危険で、精神的にも疲れてしまう。

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