再び戻った沢は相変わらず美しく、先ほどまでの危険な高巻きを忘れるほどだった。
滝を乗り越える度に出会う様々な景色に何度も驚いた。光と闇が織り成す自然のバランスは、何の無駄もなく統一されているように思えた。
ゴルジュ帯は長く続き、体中が疲れ始め、滑ってぶつけた膝が痛んではいたものの、精神的には自然に対しての感動からか軽くなっていった。
biku biku boysなくしては、このゴルジュを突破できなかったであろう。
苔がとてもきれいだった。
フリーで登るtoshizoさん。技術、体力とも非の打ち所がない。
最後の詰めは水も枯れ、崩れやすい細かい石の中を歩くことになった。美しい沢の終わりは色の少ない殺風景な雰囲気となった。二日酔いで調子の悪かったtunocciと私は、残されたわずかな力をしぼり出すように源頭部にたどり着いた。そして、さびれた登山道を戻り、藪の中をくだりコンヤ沢完全遡行を遂げた。
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