城山 ブラウンシュガー

イレブンクライマーを目指し、狙っていたブラウンシュガー11a。いつしか、それはプレッシャーとなり、とらわれとなり、脅威となっていた。それでも、なぜか、登りたいという欲求は消えなかった。ブラウンシュガーに立ち向かう勇気が自分に残っているのか?わからないまま再び城山へ・・・。
前日の雨で、湿っていた岩を触ってみると、一気に戦意喪失した。スクールゾーンを登ってみようと試みるが、まったくダメで、岩が乾くのを待ちがてら南壁に行き、スラブを登ってみた。簡単に登るつもりが、濡れた岩に恐がり、ヌンチャクをつかみながら何とか登った。そんな自分に情けなくなりつつも、ますます弱くなっていく気がしていた。フレンチフェイスに戻り、黒く盛り上がった岩壁を見上げた。もし、また登れなかった場合、その時味わうであろう挫折感に、私は向き合うことができるのか?ブラウンシュガーは自分を憂鬱にさせる敵としか考えられなくなっていた。
深呼吸し息を整えた。1ピン目、2ピン目と順調にロープを掛けていった。そして、核心のトラバース。クロスムーブでホールドに左手が届き、細かいフットホールドにゆっくりと体重移動して、3ピン目にクリップが成功した。腕はまだパンプしていなかった。アンダーでレストしながら交互に腕を振って、次のホールドへ手を伸ばした。4本目をクリップし、決め手のホールドを右手で取った。ゴール間際、あせって一瞬足が岩から離れたが、はいつくばって、岩にしがみつきレッドポイント!「ヤッター!イレブンクライマーだ!」興奮でしばらく手足が震えていた。「ひとつになったね」と支えてくれたsaeが一緒に喜んでくれた。翻弄されたブラウンシュガーとは今や一致したのだった。ブラウンシュガーありがとう!次はハートルート11aかな?

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