沢組合が大井川上流に狙いを定めた。テンカラのキャスティングも練習し、毛鉤も十分できた。あとは沢で振るのみ!前日に続いた雨で沢の水量が気になったが、「行ってみなければ、わからない・・・」とtu-chang。夜中、「やってやるぜ!」とジムニーに飛び乗った。大井川上流に着くと、テントを設営し明日に備えた。風が強い夜で、ライトで川を照らすと、沢の状態がだいたいわかった。濁りきった流れは、激しくうねりあい、ぶつかり合い、人の力ではどうしようもない大自然の恐ろしさがひしひしと伝わってきた。「う〜ん、本流は無理だ。明日は支流へ逃げよう・・・」tu-changがつぶやいた。
翌日、テントから顔を出すと、雲のない空がわかった。天気は良さそうだが、問題は川の状態。支流の沢を見ると、まだその激しさは続いていた。
別の支流に行くために本流に降り立った。tu-changはルアーを取り出し、私はテンカラを準備した。支流の出合いで、渡渉しなければならなかったが、流れが強く、支流での釣りも断念した。
釣りのできそうな所を探しながら下流へ向かうと、いい感じの水量となった川が現れた。取水口で水を止めていたので、その下流は穏やかな水の流れとなっていたようだ。ウェダーを着て水の中を遡りながら、いろんな場所に毛鉤を飛ばした。
残雪の南アルプスを背景に、新緑に囲まれた渓流。その場にいるだけで気持ちがいい。しかし、私の作った毛鉤に、魚はまったく興味を示さなかった。
苦戦が続くなか、tu-changがいい型のアマゴを釣り上げた。カモシカのように石から石へと飛び移りながら、狙ったポイントに正確にルアーを投げ込むtu-changの狩猟能力の高さには驚いてしまう。道端のタラの芽も見逃さない。
まだ水温が低いと判断し、場所をもっと下流に移動することにした。東河内は濁りがまだあったので、小河内川を偵察した。しかし、小河内川の上流に魚影はなく、早めに切り上げた。それから、手堅いという井川湖に注ぐ支流で釣りを始めた。tu-changはバックウォーターで、私は沢で釣ることにした。ここでも私の毛鉤に魚達は見向きもしない。朝5時半から釣りを始めて、昼の2時頃になっていた。「なぜだ?なぜ魚は俺を無視するんだ!」深みにはまっていく感じだ。「来い!来い!」念じながら竿を振るが、毛鉤は虚しく自分の横を通り過ぎていった。すると、後ろからtu-changが釣りあがって来た。
「10匹以上釣ったよ。食べる分だけキープしたよ。」とのこと。マジで!?いったいどうしたらそんなに釣れるの?落胆するが、「そろそろ飯にしますか?」の提案に一気に気持ちは盛り上がった。焚き火をして、炭火を作り、大きなイワナをゆっくりと焼き上げた。
焼色のついたイワナは最高だった。沢の恵みと自然の美しさに感謝。釣果ゼロだが、おかげさまで、沢の良さを味わえた沢組合でした。
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