沢組合の旅 2011年9月

沢組合・安倍川支流 今年最後の渓流釣り
禁漁期間に入ってしまう前に、最後の渓流釣りへと行き場所を探すのだが、台風の影響で本流は濁り、奥深い山へのアプローチはいたるところで道が崩壊していた。悩んだすえ、沢組合は安倍川支流の沢しかないと、狙いを定めた。入渓してから釣りの支度をしていると、すでに釣り始めていたtu-changが「釣れた!」との声がこだました。小さいので逃がすが、あまりの速さに驚いた。やっぱりすごいハンターだ。
いい淵があるが、テンカラの私は淵が苦手だ。tu-changがあらゆるポイントをルアーで探る。
水量が多く、滝登りは制限された。直登は難しく、へつりながら進んだ。
ルアーでは数匹釣れていたが、小さいのでほとんどの魚を元に戻した。テンカラもやっと釣れるようになったが、とても小さかった。これが今年最後の魚かもしれない、「また来年会いましょう」とリリースした。とにかく釣れて一安心。ボウズが当たり前だったが、tu-changのおかげで釣りのレベルが少しずつ上がった。
激しい滝の水際を、慎重に岩の弱点を見つけながら登る。
獲物を狙うtu-changは、気配を消し、完全に自然と一体化している。まさに石化け。
天に広がるこの木は、個性的でとても生命力を感じた。
水量が少ない時は登れる2段の滝を前にして、「今日は無理だね」とtu-changに話すと、滝の右側岩壁をにらんで「リードしようかな」との答えがきた。泥のついたいやらしそうなその壁はtu-changの心を挑発したようだ。残置ハーケンを見つけ1ピン目のヌンチャクをかけた。少し登り、ハーケンを取り出しミゾーのハンマーで打ち込んだ。滝の音にかき消されないハーケンの利いた高い音があたりを響きわたった。その後、もろい岩と泥に苦戦していたが、着実に上へと登り、初沢リードを達成した!
いくつかの滝をフリーで越え、
ヒョングリの滝の裏側にもぐりこみ、
滝を巻くためにチムニーを登るのだが、先を行くtu-changのつかんだ岩が崩れ落ちた!高さ6mから落ちたらケガはまぬがれない!ギリギリ、チムニーの上側の壁に足を突き出し落下を止めた。「フー!よかった!」と安堵のため息をついた。
へつりを楽しみ、
最後の大きな滝が現れて、ここを巻くとなだらかな渓相となった。
長く続く浅い瀬はテンカラの独壇場となり、今年最後の美しいアマゴを釣り上げた!3月から活動開始した沢組合は、イワナ、アマゴを求め、数々の沢へ旅立った。テンカラの技術や、魚の知識をtu-changから多くを教わり、雷雨のなかのタープも可能だとわかった。ゴルジュを泳ぎ、滝を登ってたどり着いた渓で、魚をいただく沢組合。来年も組合いましょう。奥深く美しい沢に感謝。

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