大台ケ原逍遥2012年5月3日~5日 今年のG・Wは冒険家夫婦と大滝登攀だ!と、意気込んで奈良まで行ってきたが、雨が続いてしまった。結果、中ノ滝は登れなかったが、この大台ケ原の利用調整地区である西大台には美しい森が拡がっていた。 5月3日、静岡を早朝に出発するも、G・Wで高速道路には車がいっぱいだ。奈良までの長い道のりをトシゾーさんが運転をしてくれ、大台ケ原近くにあるキャンプ場にテント設営してから、午後4:00に始まるレクチャーを受けるため、大台ケ原へと向かった。 利用調整地区に入るためには、事前に申し込みをしてレクチャーを受ける必要がある。ドライブウェイ、鹿、その他複合的による森の荒廃を防ぐためのルールだ。30分ほどのレクチャーを受け、テン場に戻った。 テン場に戻ってから、バーベキューで楽しんだあと、テントに入って眠りについた。雨が止んだので、翌日の滝登攀は無理としても、マルチピッチクライミングができるかもしれないと期待した。テントを打つ早朝の雨音で、その期待もはかなく消えた。せっかくレクチャーを受けたので、西大台と呼ばれる利用調整地区の森を散策しようと決まった。雨の降り続けるなか、大台ケ原駐車場でカッパを着こみ森の中へ。利用調整をしているだけのことはあり、森はとても美しかった。森を流れる沢の水は澄みきり、群生するバイケイソウはみずみずしかった。森の雰囲気は霧雨にかすみ幻想的だった。記念撮影を勧められた、根元が膨らんでいる大樹に着いた。その大きさには驚いた。木を覆うコケが、この森を印象付けているのだろう。枯れた老木ですら存在感を残していた。 西大台を廻ったあと、予想以上の寒さに士気が落ちたが、駐車場にある食堂でうどんを食べ、元気を取り戻した。体力の有り余るトシゾーさんはサマーコレクションを下見に行こうと提案する。時間もたくさんあったので、みんなで下見に行くことにした。 「ここを登り返すのか~」と落ち込むほどの急な斜面を下っていくと、岩壁が現れた。サマーコレクションを見上げ、その岩の迫力に圧倒された。どんな登攀になるのだろうと好奇心を掻き立てる岩をしていた。 まだ体力の有り余っているトシゾーさんが、今度は中ノ滝を見に行こうと提案した。長い時間歩いていたので、十分な気もしたが、せっかくなので、本来の目的であった中ノ滝を下見に向かった。利用調整地区でもある沢沿いを歩いていくと、きれいなナメが現れ、沢やを魅了する。東ノ滝付近には鉄の杭が打たれてあり、そこを慎重に通過した。 高度を下げていくと、轟音と共に、中ノ滝に出会うことができた。「あの滝を本当に登れるのか!?」まず、滝の高さに驚いた。「あれはしびれるな」しばらくの間、登攀を想像しながらの観察が続いた。いつの日か、中ノ滝のクラックに、得意のナッツを決めて登攀してみたい。 中ノ滝下見に、またも下ってしまったので、登り返しに疲れ果てた。疲れながら顔をあげ、景色を見渡すと、私たちの好きな南アルプス深南部に来ているような感じがした。深南部の森を懐かしく思い出した。 最終日は、近くの民宿に泊まった。6000円の安い民宿だが、部屋の雰囲気、杉の下駄やお風呂場のスイッチなど、あまり見たことのないものが多く、とてもおもしろい!お風呂があって、夕食があっって、布団の上で寝られる単純なことが、一日中雨の中を歩いていた私にとって、ありがたく思えた。トシゾーさん、Qさん!またいつか、中ノ滝にリベンジをしましょう!
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