安倍奥 関ノ沢・シバシロ沢

2012年6月17日念願の安倍奥・関ノ沢へ6月17日、天気予報は前日まで雨と出ていたが、晴れ間の見える朝を迎えた。梅雨の前線が南下するので日向山のヤチキ沢に変更しようとするが、初めの計画通り、安倍奥・関ノ沢シバシロ沢へ沢登りへ出かけた。
メンバーは、いつもの冒険仲間トシゾーさんと、以前からブログで交流のあった「静岡の山と渓」のカタヤマさんだ。カタヤマさんは静岡の山や沢を知り尽くしている大先輩である。車を十枚山登山口にデポし、もう一台で関ノ沢本流沿いの林道を行けるところまで進んだ。沢スパッツ、沢靴、ハーネスなど沢装備をつけ出発した。
ゴーロ歩きの後、えん堤を左に巻き沢へと入った。前日の降水量は70ミリ。「それほどたくさん降ったわけじゃない」と心配する私にトシゾーさんが言い聞かせた。実際、遡行はできると判断できたが、やはり水の迫力に押されるようだった。
いくつかの釜や滝を越えていると、雨が降り出してきた。しだいに、雨は大粒となって私たちを打ちつけた。「このまま降り続けると増水するね」と経験の多い片山さんが教えてくれたが、運よく雨は弱まっていった。まだ行けそうだと進むと、関ノ沢本流の核心であるゴルジュが口を開いて待っていた。暗く狭いゴルジュに、私は惹きこまれていった。頭まで沈む深いゴルジュだった。ゆっくりだが、強い水の流れに抵抗しながら、岩壁の数少ないホールドを手掛かりに泳いでいった。
落差1mほどの滝に近づいていくと今まで私を押し返そうとしていた水の流れが、突然、私を引きずり込む流れに変わった。この真逆の変化に驚いた私は、今度は滝に巻き込まれないように抵抗しなければならなかった。さもなければ、滝に巻き込まれ深いゴルジュの餌食になってしまう。必死になって水の中で足を動かすと、両側の岩に足がついた。ステミングのように足を広げ水流から自分を守ることができた。この先進もうかと考え、後ろを振り返り確認すると、私を見守る二人の姿からこのゴルジュに入らないオーラを感じとったので引き返すことにした。
ゴルジュを左岸から巻き懸垂下降(2回)で沢に戻るが、
またもやゴルジュ。トシゾーさんに偵察してもらうが、水量が多かった。
水量が少ないときはゴルジュ突破できるが、この日は水の迫力に危険と判断し、右岸を巻き懸垂下降することとなった。このとき、トライカムは装備していたが、スリングをリュックの中に入れっぱなしで、セルフビレイがすぐに取れなかった。沢登りは最低限の装備が必要だと改めて思い知った。油断していたと反省。.
「マムシだ!」服部文祥なら獲って食べるだろうな?これ以降、ただの枝でも蛇と思ってビビるようになってしまった。
入渓して2時間ほどでシバシロ沢出合いに着いた。濁っていた本流とは違い、水は澄んでいた。
天気も一時的によくなって、沢の美しさを堪能できた。
今回、同行させてもらったヴェテランのカタヤマさんは、私の母親と1年違いの年齢だが、身のこなしはさすがである。岩から飛び移る動きはとても63歳とは思えない。私も長く沢に入っていたいと思った。
水につかっていると寒くなってきたのでカッパを着こみ、立派な滝をフリーで登った。
シバシロ沢には、見事な3段の滝もある。この滝が核心だろうか。2段目はトシゾーさんがリード。1回ハーケンを打つが、「効いてないかも!」とそのまま登った。カタヤマさんも問題なく登り、私がハーケンを回収するが、簡単に抜けてしまった。岩がもろく、プロテクションをとりにくい。
途中に沢を横切るような道があった。わさび田か、登山道かわからないが、とても気になる道だった。
水が少なくなり、源頭部が近づいてくると、きまって辺りは殺風景になっていく。きまって急登になり心も体もつらくなっていく。源頭部を右に、尾根を進み笹漕ぎをすると、
十枚山へ続く尾根道(北側)に出た。しっかりした道はさわわかで平和な気持ちにさせてくれる。
十枚山手前の広くなった尾根に心癒された。
十枚山山頂で記念撮影を撮り、まったり休憩をした。安倍奥にはいい沢があると再確認。近くにいいところはたくさんある。そして、カタヤマさんから昔の足久保の山についての話を聞けたことはとても興味深かった。大棚山山頂の展望がよかった時があったとは!?大野木荘の温泉でヒルの被害を確認し、ゆっくりお湯につかりさっぱりした後帰途に就いた。

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