安倍奥 濁川下流

2012年9月29日~30日コンヤ沢の南を平行に長く伸びた濁川。下流からだと一泊二日は優にかかるだろう今回は沢組合員に加入した山桜を説得し、アマゴを食べながら、たき火を囲もうと計画した。問題は、二人とも土曜日は半日仕事、二日目は午後に台風が接近と短い二日間になるということ。限られた時間のなかで、アマゴの串焼きにありつけることができるのか?
2時に梅ヶ島小中学校のグランド横にある駐車場から歩き出した。初めての沢なので、何が待ち受けているか油断はできない。泊まるための装備で重くなったザックに自然と気が引き締まった。
下流はゴーロで始まる。「ここでビバークするか?」とさっそく山桜が弱音を吐いた。
本格的な釣り場へは、3つのえん堤を越えなくてはならないとガイドブックに書いてある。3つとも巻き道は右側で、3つ目のえん堤にはトラロープがある。そのトラロープをつかみながら、緊張を強いられるトラバースだった。
しばらくすると、いい渓相になり期待はふくらんだ。山桜はエサ釣り、私はテンカラで、晩ごはんのおかずを狙った。
収穫がないまま時間が来たので、ひとまずビバーク地を探した。台風がいつ来るかわからない。沢の中州にあった高台へタープを張った。
日が暮れるまで竿を振るが、何の当たりもなく、途方に暮れた。やはり、ツッチャン抜きでは厳しいか?枝に毛バリが引っ掛かり、この日の釣りが終わった。これで、夕飯はレトルトカレーに決定・・・。
釣れないだろうと予想した山桜は、パスタを用意してくれた。たき火を囲みながら、ワインで乾杯し、レトルトカレーとウニクリームのパスタを分かち合った。沢でのビバークは、旅そのものだ。
食べ終わると、たき火を眺め、のんびり過ごす。ただ、薪集めの最中ヒルにやられた。自然の中だからヒルも虫も住んでいる。
暗闇の中の火はとても暖かかった。
台風の心配をよそに、穏やかな夜だった。蟻と蚊みたいな虫に時々起こされるが、最近忙しい山桜はよく寝れたそうだ。朝ごはんの前に釣りをするが、まったく反応がなく、収穫なしに終わった。濁川林道終点までも行っていない付近で引き返すことにした。「今年は釣れないな!」と二人で嘆き、
ビバーク地に戻って、ラーメンを食べた。台風がそれたかもと思うほど、天気が良かったが、雲行きが怪しくなったので退散することにした。
来年の渓流釣り解禁に向けて、テンカラを練習しないと!
十枚山を見上げ、少しの物足りなさと一緒に、沢を後にした。

0コメント

  • 1000 / 1000