2013年6月2日栗代川での敗北から、テンカラ迷路にはまり、悩みの日々が続いていた。「お食い初めの魚を期待していたのに!」とあきれているパートナー。釣りへ遊びに出ていかせてもらっているのに、収穫がないので当たり前だ。「お食い初めの魚はどうしても自分の手で獲りたい!」とお願いし、日曜日の朝に時間をもらった。
朝早くに起き、近場の安倍奥の沢へと向かった。一人で本格的な沢に行くのは初めてだったので、心配な気持ちもあった。アプローチでは、やはり安倍奥、ヒルが元気に動き出していた。沢を求めて、1時間ほどの登りを経て、入渓した。
天気の方は、梅雨に入ったが悪くなく、むしろ晴れ間がのぞきだしていた。狭い沢で、テンカラを振るとすぐに引っかかってしまう。少しイライラしながら白い毛バリから黒い毛バリへ交換した。
この日のために、テンカラ研究を重ねてきた。そして、研究の結果、気配を消すことが第一条件だということに至った。
気配を消しながら、静かに毛バリを投げ込んだ。自然の一部に、私がうまく溶け込むことができたのか?糸の先から懐かしい感触が!やっと会えた。「有難く頂きます」と心の中で言い、お食い初めの獲物として持ち帰ることにした。2匹目は小さかったので、リリースした。他に、水面を割る当たりがあったが、それはびっくりして早合わせしたのであろう、外してしまった。
釣れたことにホッとし、陽だまりで飲んだ紅茶は、おいしかった。一人の沢は危険だが、とても静かになれるのだなと実感した。
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