白倉川・西俣沢~中ノ尾根山~合地山 1日目

2013年5月3日~4日以前から、沢組合が狙っている寸又川源流のひとつである柴沢。南アルプス深南部の奥地に位置する柴沢付近の地図を眺めていると、アプローチの長さから不安と期待がふくらんでしょうがない。このGWに2日間の許可をもらい(感謝!)、沢旅と柴沢までの偵察ということで、白倉川・西俣沢から中ノ尾根山、そして通過地点となる合地山2峰まで偵察しようと計画を作った。メンバーは沢組合のツッチャン、私、そして初参加のアカシさんの3人パーティーとなった。
白倉ゲートから白倉橋までの9キロの林道は、自転車で行くことにした。仕事場のハイエースワゴンを借りられた。ワンボックスの広さは実によく、車の後ろに3台の自転車を楽々詰めることができた。白倉ゲートに着き、沢組合には珍しく雲一つない空の下(アカシさんのおかげか?)重たいザックを背負い自転車で出発した。自転車での登りは想像以上につらく、久しぶりの激しい運動に肺が痛くなるほどだった。ほとんどの行程が一番軽いギアで漕ぎ、急坂では歩く時間帯もあった。クロスチェックではなく、軽いギアのあるロッキーマウンテンのクロスバイクで来たのだが、正解だった。
林道を奥へと進んでいき、見えてくる笹と枯れ木の稜線を見て、深南部に来たと実感し、感慨にふける沢組合がいた。
1時間40分ぐらいで白倉橋に着いた。この日は、白倉川で夕食のおかずを獲ろうと考えていた。白倉橋に自転車とザックをデポし、歩いて下流へ向かった。林道から沢まで高低差があったので、降りられそうな場所を探し、ガレ場を滑りながら沢へ降り立った。と、その瞬間?下流から一人の釣り師が上がってきた。少し話をして、行き先を確認した。残念だが、先行者に沢を譲り、私たちは早めの昼食を取った。仕方がないので、白倉橋まで戻り、少し遡行して釣り上がろうと決めた。白倉橋に戻りえん堤で、ルアーを試しにツッチャンが投げるとすぐに、
「来たっ!」とリールを巻くツッチャン!まあまあのイワナを釣り上げた。さすがだ、これでおかずが頂ける!後に続けとアカシさんと私も西俣沢でテンカラを振り始めた。このテンカラ組は、獲物から遠ざかっていた。特に私は、沢へ行くチャンスもなく、たとえ行けてとしても、不甲斐ない思いで沢を後にするだけであった。「今日こそは!」と焦燥感だけがつのっていった。しかし、この旅に初参加したアカシさんが食料担当してくれたのだが、夕食にカレーを考えてくれた。カレーはレトルトではない、生カレーだ!生カレーがあるということで、精神的に追い込まれずに済んだが、なかなか釣れない。
西俣沢の今は廃道と化した行き止まりにあるトラックの所でひとまず休憩をした。
アカシさんのラインは、アカシさん手作りのテーパーラインで視認性、操作性に優れていたが、毛バリが大きすぎたかもしれない。当たりはあったが合わせることができなかった!私の方も当たり、魚影、何もなく空しく毛バリが流れていくだけだった。次からは視認性のあるレベルラインに変え、ポイントに毛バリが流れるようにしよう。
次の日を考え、なるべく西俣沢を上まで登り、等高線の開いている場所にテン場を探す予定だった。意外だったのは、残雪の現れる早さ。中ノ尾根山付近には雪が少しあるだろうと、渓流アイゼンを持ってきていたが、沢の山斜面にある雪の多さに夜の寒さが心配になってきた。
ポコッとしたピークが見え、沢が狭くなるところで、テン場を探したが、いい場所を見つけるまで少し苦労した。それからよく考え、タープを設置した。かまどの場所を作り、薪集め、たき火、夕食の準備と、それぞれが効率よく働いていた。
労力を惜しまない、みんなのテン場作りのおかげで、すばらしい旅の宿ができた。
今回の自然のかまどは、ビリー缶が3つ並べられる3コンロ式で、今までになくいい出来だった。数を重ねるごとに、沢組合も沢旅の生活に慣れてきているようだ。たき火も木が乾燥していたのでとてもうまくいった。
食料を担当してくれたアカシさんが生カレーを作り始めた。針金の高さで、火力を調節するこのかまどを上手に使い、野菜と肉を炒めじっくりとカレーを煮込んだ。
そして、まさか、らっきょうが出てくるとは思わなかった!これには、ツッチャンも私もびっくりした。お米も焦げずに、おいしいカレーライスを腹いっぱい食べた。
ツッチャンが釣った2匹のイワナを串焼きにしてくれた。コーヒーを飲みながら、たき火に炙られたイワナを待つ贅沢な時間。当然のごとくバカうまい!
アカシさんが作ってくれた骨酒を味わいながら、のんびりたき火を囲んだ。野生に戻って旅するこの感じが、楽しくてしょうがない。

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