白倉川・西俣沢~中ノ尾根山~合地山 2日目

2日目夕べのタープはやはり寒く、寝たり起きたりを繰り返しているうちに朝が来た。初タープのアカシさんは、ぐっすり眠れたようだ。朝ごはんのラーメンを食べた後、その日のルートを相談した。まず、沢を詰めるなら濡れた冷たい沢靴を履かなくてはならない。さらに、偵察へ行ったツッチャンによると、沢には雪渓も残っているとのことで、その処理も心配だった。楽観的な私は、冷たくない登山靴で、適当に高い方に登れば大丈夫だろうと考えていた。しかし、アカシさんは、その密な等高線の間隔をとても警戒していた。そして、検討の結果、比較的緩やかな尾根を登っていくことにした。

お互い見える範囲で登っていったが、私の入った尾根が急勾配で、朝からアルパインクライミングを強いられた。荷物が重く後ろに引っ張られるようで、冷や汗ものだった。一方、アカシさんとツッチャンは読みのいいルートファイディングで、ペース良く登っていった。雪が現れたので、渓流アイゼン、アカシさんはピンソールを装着した。おそらく、今回のように軽アイゼンがなければ、敗退していただろう。雪の上を慎重に登っていると、右足の股関節あたりの筋に痛みを感じるようになってしまった。前日の無理な自転車漕ぎのせいに違いなかった。
2日目が始まったばかりなのに、最後まで持ってくれるのか?雪歩き、藪漕ぎが苦しくて仕方なかったが、やっと稜線に出た。
空を見上げると、白い枯れ木が、まさに深南部の風景。日差しが強く、釣りのために持ってきた偏光グラスが役に立った。辛い登りが長く続いた。
中ノ尾根山山頂に着いた。かなり疲れていたが、この後、まだまだ歩かなくてはならない。単独登山者のテントがあった。前日に会った人でかなりの健脚の持ち主だった。聞けば、中ノ尾根山から合地山の往復で4時間かかったと言う。4時間は早いだろうなとその登山者から雰囲気で感じたので、もっとかかりそうだった。山頂に荷物をデポし、合地山までピストンを始めた。
中ノ尾根山は広いので、合地山への尾根を慎重に見つけた。合地山が木々の切れ間から見えていたので、何となく方向はわかったが、ガスが出ていたら難しくなるだろう。赤テープも最初は目についたが、次第に数は減っていった。
ほとんどの尾根上には、雪が残っていて、軽アイゼンが合っている深さだった。中ノ尾根山から、鞍部まで高度を下げていき、アップダウンを繰り返しながら、合地山まで登り返す。道の踏み跡が薄くなり、藪に入るところもあった。ピークの連なる合地山へのアップダウンは、苦しいものだった。
何度も諦めそうになるが、踏ん張ってこらえながら足を上げた。そして、遠かった合地山P2山頂を踏んだ。苔や落ち葉でフカフカな地面に倒れ込んだ。あまりの柔らかさに「登山者にやさしい山頂だ!」とツッチャンがうれしそうに話していた。
中ノ尾根山に戻るために、いくつもの登りが待っていることを考えると、憂鬱になった。それでも行かなくてはならない。重たい体に鞭打って、ひたすら歩いた。中ノ尾根山に戻り、重たい荷物を背負って、あとは降るだけだと、疲れ切った自分に言い聞かせた。
比較的、登山道としての踏み跡はあるが、地図読みの必要な個所はあった。
深い深南部の山々を眺め、
膝の痛みを我慢しながら、やっと中ノ尾根山登山口に着いた。この登りもきつそうだ。林道をしばらく歩き、自転車にたどり着いた。
自転車での林道くだりはスピードが出て時間短縮になった。ぜひ、ディスクブレーキと前輪のサスペンションはお奨めする。自転車、沢、藪、雪と盛りだくさんの沢旅だった。沢組合らしく、沢の恵みを頂くことができた。果たして、柴沢への冒険は可能だろうか?それまでにテンカラをどうにかしておかないと・・・。

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