沢組合の旅 2013年 2日目

2日目夕べはあまり寒くなく、シュラフカバーと化繊インサレーションで十分だった。それでも、寝られなかったのは、蚊のせいだった。シュラフカバーを口元だけ残して絞り込み、寝たり起きたりを繰り返した。
少し明るくなったので、起き上がり、火種が残っているのを確かめ、細い木を重ねると自然に火がついた。ビリー缶でお湯を沸かし、朝食をすませた。タープを撤収し、荷造りをして7時に出発した。
白い光が葉を透かし、まばゆく輝かせ、逆に根元には濃い陰影を落としていた。その木のふもとには、反射した沢の水が流れていた。朝のその光景に、しばらく呆然と立ち止まっていた。
本流の逆くの字の滝まで遡り、滝登攀は無理そうなので、右岸巻きを始めた。
大きな木が点在し、森の豊かさを感じた。多様な木々は、多様な命を育むことを、沢で実感することができる。
山道が見つかったので、地図上の家まで行けると推測し歩いていくと、小屋が現れた。この辺りは林業が盛んだったのか、小屋がとても大きい。釣師だろうか?使った形跡があった。ここから沢に戻るが、ゴミの多さにがっかりする。
沢は地形図どおりに開けてくる。ここで、釣りながら遡行した。ツッチャンもテンカラでカディスを振るが、テンカラの腕前もすばらしい。釣りを楽しんだ後、詰めのために準備をした。二股が現れ、右の沢へと入った。予定では、二俣から右へ遡行し、前黒法師岳の南に延びた尾根へ詰めるはずだった・・・。しかし、地形図との違いから違和感を持ち始めた。沢を間違えたかもしれない!
等高線の間隔の割に、フリーでギリギリ登れる滝を登らなければならなかった。どうやら、登るべき二股を見落としてしまったのでは?
地図を確認し、自分たちのいる可能性のある沢を2つに絞った。どちらにしろ、前黒法師岳山頂へ登るしかない。そのまま沢を詰めることにした。傾斜が増し、岩ももろい部分が多い滝を登っていくと、ガレ場に出た。1歩1歩、ズルッと沈む感じに、疲れがたまっていく。ここで、間違えたと判断し、右の尾根へ向かった。
尾根道にはケモノ道があり、たどって行くが、藪漕ぎとなった。先の見えない藪に、暑さも加わり、つらい登りとなった。
尾根がなだらかになると、藪漕ぎが終わった。かなりエネルギーを使ったので、食事をとるために休憩を取り、一息ついて辺りを見渡すと、そこは、なじみのある深南部の森だった。静かな深南部の中でも、私たちが登った道は、特に人気のない尾根だったろう。マニアックすぎる!
視界が開けると、黒法師岳が見えた。尾根のすぐ下に崩壊しているだろう林道も確認できた。
なだらかな尾根を歩いていくと、山頂の予感もなく前黒法師岳に着いた。看板がなければ通り過ぎていきそうな山頂で、この旅の数ある目的のひとつを達成した。どこかで見たと思ったが、やはり「山やへの扉」でトシゾーさんたちの記事があった。
下りは、不安が的中し、前回の栗代川~朝日岳で痛めた左ひざが再発。こんな所に家があったとは!?湯山集落跡地で驚き、ツッチャンに後れを取りながらも、何とか初日に通った林道へたどり着いた。標高差1300mの下りは大変だ。足を引きずりながら、観光客に混じり寸又峡温泉に着き、沢旅が終わった。温泉で、今までかいた汗を流し落とし、最高の気分を味わい、そばを食べ締めくくった。栗代川に続き、今回も沢組合ならではの沢旅に「悔いは無し!」 ツッチャンに感謝!そして、毎度ながら、沢へ送り出してくれる両家族へ感謝!湊斗・葉、どうもありがとう!

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