黒石谷 その1

冒険家夫婦に誘われ、紀伊半島の奥深い山のなか沢旅に出掛けた。黒石谷。どこにあるのか未だわからないが、奈良にある沢だ。
ダム湖を通りすぎ、たどり着いた山中の川のほとりに一軒の家があった。その横の林道を、ゲートをまたぎ、しばらく歩いて入渓した。
どんな渓なのだろう?いいバランスで期待と不安が混じりあうが、広い淵にたまらず武者震いした。なぜか逆方向に進むQさん。こっちじゃないですよ。
でた!ゴルジュ!長く、奥には激しい滝が覗けられた。吸い寄せられるようにひとり進んでいくが、後ろの3人は完全に巻き道を探していた。置いてかないでと、すぐさま私も高巻きを始めた。
仕事道が残るが、だいぶ荒れていた。
あそこかな?とみんなを導くtosizoさん。どこを登るのかラインを考える。想像力なくして沢は登れない。
gakuさんとは1年ぶりの沢だ。赤木沢がなつかしいが、gakuさんと私はいわくつきの組み合わせ。今回は何が待っているのだろう?
へつりながらゴルジュ突破を試みるtosizoさんは、この後ジャンプし岩に飛び移ったが、滑ってそのまま深い淵へ沈んだ。
それでも、淵の中からはい上がり、後続をロープで引いてくれた。
男女滝をフリーで登った。心配そうに眺めるtosizoさんが「ロープだそうか?」とgakuさんに聞いてみるが、大丈夫と断わるgakuさん。切羽詰ったあの顔は大丈夫じゃなかったです。
ここは滝の右にある大岩のしたをくぐり抜けた。
右側から滝の裏を通り、左側を巻いた。
深い釜では、ザックをビート版代わりにしながらQさんが滝に近づきそのまま登っていった。
光と影。

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