今回は一泊の沢旅なのだが、沢屋として、どうしてもしなければならないことがあった。それはタープでビバーク!
石垣で積まれた幕営地にタープを設営した。この日のために数回練習を重ねたのだ。自分とまわりをさえぎる物は、たった一枚のタープだけ。開放感、そして自然との一体感に眠ることはできるのだろうか?
冒険家夫婦は焚き火の準備、gakuさんと私は釣りに出掛けた。得意のテンカラは何の当たりすらなくボウズに終わった。釣り師のgakuさんがなんとか食べられるサイズのアマゴを一匹釣り上げてくれた。ハヤがたくさん見えるのだが・・・。ビリー缶でお米を炊き、夕食を食べた。一匹のアマゴの串焼きをみんなで分かち合ったのだがよく燻され、とてもおいしかった。
焚き火で暖まったあと、寝床に着いた。疲れていたので、よく眠れた。時々目が覚めると、木々の葉の影が見え、森に寝ていると実感した。風を感じたが、夏用のシュラフがちょうど合っていたので寒くはなかった。普段は夢を見ないが、この日は不思議な夢を見た。タープ、シンプルゆえに奥深い。
二日目、この日の核心である鬼滝へと着いた。2段の立派な滝だ右側を登ることにした。
1段目を登り、2段目をどう登ろうか考えていた。ハーケンを打てそうなリスが無く、ビビッていると、tosizoさんが「ここは行けるよ」と余裕のセリフ。
tosizoさんにリードしてもらった。カムとハーケンを使っていた。
核心である鬼滝を越えたが、大小の滝が待っていた。そしてゴルジュも。へつって行けそうな気もしたが、このゴルジュも巻いていった。
ナメが現れ穏やかな雰囲気となり、遡行を終えた。沢の横を通る仕事道を下るが、ここからがまた困難な道となった。
石垣で作られた道を快適に歩いていくと崩壊してガレた場所にでた。仕事道は消え失せ、急な斜面のトラバースや倒木越えは、精神的にも体力的にも消費していく。後から来るgakuさんの鼻の上に血が流れたいた。3Mほど滑落したらしい。
幕営地からはしっかりした仕事道となったが、それでも腐りかけた橋を渡るときは緊張した。カメラを向けると、無理に笑顔を作るgakuさん。引きつってます。
奥深い山々を通る奈良の沢。とても素晴らしい沢旅となった。tosizoさん、Qさん、そしてgakuさん、ありがとうございました!
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