2013年3月10日開拓の続き、岩岳アイゼンアガルドへ。
1週間前、寒さに震えながら開拓をしていたのだが、静岡ではいい感じで暖かい日が続いていた。これはいけるぞ!と2回目となる岩場開拓にアミが初参戦した。そして、ニール会のアカシさんもこのパーティーにというか、作業班に加わった。趣味にしては、あまりにも厳しい環境での重労働なのだ!
写真左にあるのが、これから目指す岩岳アイゼンガルド。あの岩を見ると、寒さも、きついアプローチも忘れ、やる気がわいてくる。「やってやるぜ、サルマン!」
暖かいから雪はないかな?と期待していたが、前回よりは雪は少ないものの、凍ったところが多くて神経を使う。真先峠から地蔵峠まで35分ほどかかった。
地蔵峠で遅れていたシュウとアミを待つが、開拓作業がたくさんあるので、先に出発した。これから岩岳まで一気に上がる登りに苦しむことになる。風は強いが、登りのせいで暑くなってきた。雪の残る尾根道を黙々と歩き、目的地である岩岳アイゼンガルドに着いた。ここは、風の吹かない時があるのだろうか?風で汗が冷え、寒さとの闘いが始まった。
ニールさんが終了点の設置をしている間に、トップロープでカンテ右スラブを登ってみた。前回は岩の雰囲気に屈してしまいカンテに行けなかった。今回、慣れてきたのか、思い切ってカンテを登ってみると、簡単に登れた。
アカシさんが登ってみる。ななめのクラックにカム(#3)でプロテクションを取ることができる。真ん中まで行くと、指先に感覚がなくなり、敢え無く登りきることができなかった。アカシさんなら問題なく登れるはずだが、風の音と岩の迫力に負けてしまった。
暖かいはずだが、ここは違っていた。灰色の雲が上空を渦巻き、時おり、みぞれのような冷たい雨に、私たちの気分はふさぎ込んでいった。ポリーも岩の影に隠れるように丸まっていた。
ニールさんはというと、強風のせいで作業が難航していた。風の合間から「イヤだ~!」とニールさんのうめき声が聞こえてきた。
ニールさんが開拓作業をしている間、私たちはクラックの掃除ををした。かき出したクラック内の泥が風で顔に全部飛んでくる。目、鼻、口に土が思いっきり入ってきた。それを予想したシュウがゴーグルを持ってきた。強風の中のクラック掃除にはゴーグルが必需品だ。
せっかくここまで来たアミは、ハーネスもつけずに犬たちと寒さに耐えていた。確かにこの環境での作業はきついだろう。5.9ぐらいのゴラムルートを作ってくれと頼んでいた。
アカシさんも献身的にクラック掃除をしていた。
掃除が一段落して、トップロープで登ってみた。クラックからいいホールドがたくさん出てきたので、クラック沿いに(ジャミングではない)登って行ける。カム、ナッツも効きそうだ。5.10cあたりか?おもしろいルート!
夢中で登っていたので、気づかなかったが、指から流血していた。岩がとがっていて刺さってくる。恐るべし岩岳アイゼンガルド!
寒さのせいで、みんな帰る準備をしていて、知らぬ間にアカシさんと私だけになっていた。もっと居たかったが、時間が来てしまった。
南北に連なる安倍奥東山稜。
すばらしい尾根道。
ルート名を考えながら下り、真先峠に着いてニール会の記念写真をとった。ニールさんの古い型のデリカがいい感じだ。さて初登者は誰になるのか?
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