滝の音で時々目を覚ますが、日頃の疲れのせいで6時まで寝てしまった。厚めのシュラフのおかげで寒さはなく快適だった。
朝日に透ける新緑がすぐそこにある。天気がいいとこうも快適なのかと、長居したくなった。それでも、滝上のパラダイスを目指し、朝ご飯のラーメンを食べ出発準備を整えた。
地図の等高線の間隔は両側とも狭かったが、左岸を登ることに決め、運が良ければ道にぶつかる予定だった。地図の通り、高巻きは厳しかった。荷物はテン場に置いたので、空荷だったのが救いか。そして、銀竜草を見つけたことも。
予想は当たり、トラバースする昔の道に出た。廃道だが所々にしっかりした状態で道が残っている。滝を通過し沢に降り、滝上を探りに行った。途中、死臭が漂いうろたえる。
アプローチは簡単でないので、イワナのパラダイスであることに何の疑いはなかった。ところが、魚影がまるでない。水は少し濁っていたので土砂の影響かもしれないが、魚信がないのには失望した。まさかのノーパラダイス・・・。
残雪と桜を見ながら休憩し、これ以上望めないと、帰ることにした。
それでもあきらめきれず、途中の支流に入ってみたものの、魚の気配なし。帰り道の廃道を探そうと、滝の横をクライミングし遡ってみた。
沢が左に曲がっていくところで、山に入りトラバースする道を探すが、獣道なのか廃道跡なのか難しいところ。
それでも廃道ではないかとほぼ確信するが、崩れているところは、イヤらしいクライミングで切り抜けた。ガレているところは数か所ありトラバースに気を使う。高巻いた場所に戻り、一気に下るとテン場に戻った。
沢のおいしい水でのどの渇きを潤し、これからの下山に備えた。
お昼ご飯を食べて帰り支度をするが、のんびり回りを眺めていると、あまりの心地良さにもっといたい気になった。寒かったり、雨が降ったりするとこんな気持ちにはならないが・・・。雨によく会う沢組合もこんな日がある。
ピョンピョン飛びながら沢沿いでしばらく帰る。ラバーソールの特性を少しずつ理解してきた。茶色い苔でヌメッテいる石の滑り具合はツルンと半端ないが、それ以外の石のフリクションはいい。そして何より、高巻き、トラバースにラバーソールはとても歩きやすいし、安心だ。恐ろしいトラバース道を慎重に通過し、
山の神に感謝の祈りを捧げた。
吊り橋を渡れば、自然界ともお別れか。
静岡にはすばらしい自然がたくさんある。その雄大な自然の恵みを味わえることに感謝だ。沢旅を分かち合ってくれたツッチャンにも感謝。
自転車で林道を通った後は、GWの人混みの中をすり抜け無事旅が終わった。
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