岩を傷つけず(ボルトを打ち込まない)、なるべく自然の状態で岩を登るトラッドクライミング。その心意気がかっこいい。トラッドなら瑞牆でしょ、と思っているが、グレイドが高すぎる!そんななかで登り始めた「調和の幻想」前回敗退の反省から、カム6番を手に入れた。そして、鷲頭でのクラック修行を積みチャンスを待っていたところ、トシゾーさんから誘いが。残念なことに、前回のパーティーのニールさん、シュウは予定が合わずに不参加となった。
行きの車で誰がリードするかを話していたが、今回のパーティーにA君という助っ人が現地で集合すると聞き、さらにA君はクラックが得意とのこと。ここは、トシゾーさん、A君にリードをお任せしようと、ひそかに気が楽になる。それでも、最後の大フレークの恐ろしさは気がかりではいた。そのことをトシゾーさんに伝えると「なんだか緊張してきた、、、」とトシゾーさん。トシゾーさんと私のカム6番が2つもあるし、クラックの得意なトシゾーさん、A君もいる。行けるはずだ。
アプローチで瑞牆の森を通り抜け、高度を上げていく。焦って歩くスペースが速くなる。目標の調和の幻想取りつきに着いた。先行パーティー2人がいたため少し待ったあと、A君が登り始めた。初めて会ったが、安定した登りに安心する。
問題は私だ。二人にリードをお願いする以上、荷物持ちはやろうとリュックを背負い登り始めた。この日のために鷲頭でクラック修行を積んできたのだ。その集大成を出す時が来た。1P目、息切れしながらも無事登る。
2p目トシゾーさんリード。クラックを越えたあとのスラブで、トシゾーさんの叫び声が。スラブがツルツルで滑るのだ。
3p目トシゾーさんリード。フェイスのトラバースが核心か。
私はパンプしてしまいやばかったが、なんとか登る。A君が「写真撮るよー」と容赦なく声をかけ、それに応えようと手を振るが、本当はそれどころではなかった。
4p目トシゾーさんリード。木登りからスラブ、クラックと多様なルート。
フォローはとても楽しい。リードは難しそう、甘えん坊から成長しないと、、、。
前回敗北した大フレークがとうとう目の前に。「意外と寝てるじゃん」と余裕なトシゾーさんに驚くが、私には立っているようにしか見えない。あいかわらずすごい迫力だ。カム6番2個の存在が寝ているように見せているのだ。それでも、私には大フレークをリードする度胸がない。
5p目トシゾーさんリード。「カム6番2個は重い!」と言いながら着実に登っていく。気持ちよさそうなクライミング。オフウィズスで叫びながらもオンサイト!さすがトシゾーさん頼もしい!私もドキドキしながら登る。やはりフォローは楽しく、レイバック登りは最高。
瑞牆山マルチの魅力はトラッドな雰囲気とこの景色。
恥ずかしがり屋なA君も楽しそうに登り、3人で握手を交わす。喜びの瞬間だ。
トシゾーさんとはクライミング教室の同期。どんどんレベルを上げて、すごい所に行ってしまうが、こうして一緒に登ることができてうれしい。今度は沢に行きましょう!
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